冬の夜を照らす明治・大正の光
暑い夏が終わり、秋が来たかと思えばすぐに気温が下がってあっという間に冬が来ましたね。
今年は気温の緩急がここ数年よりも激しいような気がします。
気温の変化に伴って日が落ちるのも一気に早くなり、17時頃には辺りがもう真っ暗になってしまうので、照明の灯りがとてもありがたいです。
現代では、スイッチ1つで蛍光灯やLEDのライトが点き、夜でも簡単に昼間の明るさが手に入ります。
普段は何気なく、当たり前に使っている照明ですが、倉賀野店にて使用・展示している照明の笠を見ながら、ふとこの笠が作られた時代の人々はどのように暗い夜を凌いでいたのかな、と気になったので調べてみることにしました。
石油を注いで火を灯すオイルランプ
幕末から明治にかけて、注いだ石油に火を灯す石油ランプが西洋から伝わり、日本における照明の革命が起きました。
当時の日本には照明に対して美意識はあまり無く、ただ空間を明るくするための手段として用いられていましたが、西洋の文化が流入すると同時に照明は「おしゃれを楽しむもの」へと変わっていきました。
高さ10cmほどの小さなオイルランプは「豆ランプ」といい、トイレやお風呂の照明として持ち運ばれていたようです。
オイルランプをそのままミニチュアにしたような見た目が可愛らしいです。
アンティークインテリアとしてもとても雰囲気が良いですね。
電球の登場
明治の終わり頃から大正時代にかけて各地で水力発電が盛んになり、広域にわたり電気が普及していきました。また、明るく電気代も安いタングステン電球が一般に行き渡り、火を使わずに部屋を明るくできるようになりました。
火から電球に変わったおかげで照明の光が安定し、より「おしゃれを楽しむもの」としての存在が定着しました。
加えて、火を直接使う機会が多かった昭和の初めと比べると火災の件数もだいぶ減少したようです。
化学の進歩の賜物ですね。
多種多様な電笠
西洋の文化を取り入れたことで、電気の笠は美術品のような要素を含みながら作られるようになりました。
縁に赤、青、緑など色ガラスを被せたもの、乳白色の地に切子模様が付けられたもの、ふわっとした布のようなフリル型、穏やかな波のような形、まるでシャンプーハットのようなギザギザした縁など、色や形の組み合わせが多数存在しており、様々な景色を楽しめます。
今、電笠を実際に使って楽しむのなら、電球色の電球が良いですね。色味がとても暖かく、火を使っていた当時の色合いにも近付くと思います。
ランプ自体も置くだけでインテリアになるので、試してみてください。
今回ご紹介した商品は全て骨董会館倉賀野店にて販売しております。
ぜひお立ち寄りください。
◎骨董会館 倉賀野店
HP http://antiques-store.com/kuragano
群馬県高崎市倉賀野町2466-1
営業時間 10:00〜18:00 火曜定休
電話 080-7933-1122
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