研出蒔絵蛍図硯箱






深みのある黒漆地に、繊細な研出蒔絵で蛍の群れを表した硯箱です。
しっとりとした漆黒の中に、金色の蛍がやわらかな弧を描くように舞い、
静寂の中にほのかな光が浮かび上がる、風情ある意匠となっています。
蓋いっぱいに広がる蛍図は、余白を生かした構成によって
幻想的で奥行きのある景色を生み出しており、日本的な情趣を色濃く感じさせます。
本作には研出蒔絵(とぎだしまきえ)の技法が用いられており、
文様を描いた上からさらに漆を塗り重ね、表面を丁寧に研ぎ出すことで、
金銀の文様を静かに浮かび上がらせています。表面に凹凸が少なく、しっとりと落ち着いた光沢を見せるのも特徴で、
光の加減によって蛍の姿がやわらかく現れ、夜の闇にほのかに舞う情景を奥行き豊かに表現しています。
サイズ:幅15.0×奥行22.3×厚み3.5cm
時 代:19世紀
銘有無:無
箱有無:無
傷有無:蓋部分に2箇所小ヘコミ有
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