京都駒井製 象嵌小箱Sold Out
日本の明治期を代表する金工として西洋でも数々の名声を博し、海外の万国博覧会でも多くの受賞を重ねた屈指の工房、京都駒井による作品です。
明治期の日本の美術工芸品は世界最高峰ともいわれ、現代では再現不可能とされる超絶技巧と細密な美しさで世界を驚嘆させました。
その多くが海外に向けて作られたため、国内ではあまり知られていないものも多く、京都駒井の作品もそのひとつであり日本に現存する物は非常に数少ないと言われます。
明治の美術工芸の一級品だけを収集し、世界最大級のコレクションとして知られるロンドンのハリリコレクションには、京都駒井製の作品が数点収蔵されています。
本作は蓋の部分に虎の図が、側面と内部には軽やかに舞う蝶が象られています。底部には、勝ち蜻蛉に「日本国京都住駒井製」の金象嵌銘が入っています。
しっとり落ち着いた地の黒色と金の対比が美しい作品です。
【駒井象嵌】
駒井象嵌は明治時代、駒井音次郎 (天保13年生まれ)により創業。
音次郎は肥後象嵌の技術を学んだと伝えられます。
駒井家は代々京都で刀匠を家業としていましたが、明治9年の廃刀令により、肥後象嵌の刀装金具の制作技術を生かし、西洋向けの置物や装飾品などの制作へと変換します。
国内外の博覧会にも作品を出品し、明治36年の第5回内国勧業博覧会、
同37年のセントルイス博覧会、同38年のリエージュ万国博覧会でも受賞。
音次郎は明治39年、家督を2代目音次郎に譲り大正6年に75歳で永眠。
2代目音次郎も積極的に海外の博覧会に出品し、昭和16年まで制作を続けますが、戦後は真珠店へと改めました。
サイズ:幅17 奥行8 高さ5.5cm(台含まず)
時 代:明治時代
銘有無:有り
箱有無:合わせ箱有り
傷有無:数カ所に錆、スレが見られます。