古美術名品『集』30号
特集1 【ボストン】肉筆浮き世絵「江戸の誘惑」展
特集その壱は、アメリカのボストン美術館が所蔵する肉筆浮世絵「江戸の誘惑」展。明治時代にボストンの大富豪ビゲローが日本で収集したコレクションの中から、約80点が百年ぶりに初めて日本に里帰りしています。中でも葛飾北斎の幟絵(のぼりえ)や提灯絵は圧巻。天才・北斎の驚異的な力業が遺憾なく発揮されています。その他、世界で3点しか確認されていない鈴木春信の肉筆画や、現存する最古のものとされる歌舞伎看板絵なども展示されます。
特集2 【故宮博物院】清朝の繁栄と黄昏
特集その弐では、北京故宮博物院展「清朝末期の宮廷芸術と文化」より清朝最盛期の一級文物(中国の国宝のこと)や西太后時代の華麗な宮廷生活の品々をご紹介します。神業かそれとも鬼の業かと絶賛された清時代の精緻を極める陶磁器作品を、じっくりとご覧ください。また中国稀代の女傑といわれる西太后は、幼い皇帝を擁立し、「垂簾聴政(すいれんちょうせい)」という政治体制をとりました。その権力の舞台裏を復元した興味深い「垂簾聴政の間」の写真も掲載しています。
特集3 綾小路きみまろ「骨董道/芸人道」
「中高年のアイドル」として人気の綾小路きみまろさんは、無類の骨董ファンとしても知られます。河口湖町に今年オープンしたお店「るりびょうたん」で、骨董への思いや漫談芸についてお話を伺いました。
発行日 2006年9月
ISBN4-921031-30-4